「高額療養費制度があるから、民間の医療保険はいらない」「病気になってからでは遅いので、若いうちに加入した方がよい」。医療保険について調べると、このように正反対の意見を目にします。どちらも一面では正しいのですが、すべての人に当てはまる結論ではありません。
医療保険の必要性は、病気になる確率だけでは決められません。公的医療保険でどこまで保障されるか、すぐに使える預貯金がいくらあるか、療養中に収入が減るか、勤務先の福利厚生を利用できるかなどによって、必要な保障は大きく変わります。また、数字上は貯蓄で対応できる場合でも、老後に医療費で資産を取り崩すことへ強い不安を感じる人もいます。保険には、経済的な損失を補うだけでなく、将来の不確実性を一定の保険料に置き換える役割もあります。
一方で、不安だからといって多くの特約を付ければよいわけでもありません。毎月の保険料が増え、生活防衛資金や老後資金を十分に準備できなくなれば、かえって家計の安定性が下がってしまいます。
この記事では、金融商品の販売を前提としない独立系FPの立場から、高額療養費制度や傷病手当金、貯蓄との関係を整理し、どのような人に医療保険が必要なのかを解説します。医療保険を最も利用しやすい高齢期に向けて、健康なうちに保障を確保する意味についても後半で詳しく考えていきます。
医療保険は「必要か不要か」の二択ではない
結論からいえば、医療保険はすべての人に必須ではありません。しかし、高額療養費制度があるからといって、すべての人が医療保険を持たなくてよいとも言い切れません。
病気やけがによって家計に生じる負担は、病院へ支払う治療費だけではないからです。高額療養費制度の対象にならない食事代や差額ベッド代、通院交通費などがかかるほか、療養中に仕事を休めば収入が減少する可能性があります。子育て世帯では、配偶者が付き添いや家事・育児のために仕事を休んだり、外部サービスを利用したりすることも考えられます。
医療保険の必要性を判断するときは、次の順番で考えるのが基本です。
- 公的医療保険から受けられる保障を確認する
- 勤務先の休職制度や福利厚生を調べる
- 医療費以外も含めた家計負担を試算する
- すぐに使える預貯金で対応できるか確認する
- それでも不足する金額を民間保険で補う
このように考えると、民間の医療保険に医療費の全額を求める必要はありません。公的保障と預貯金で対応できない部分が小さければ、医療保険の保障も小さくできます。反対に、預貯金が少ない、休業すると収入が大幅に減る、勤務先の保障が乏しいといった場合には、民間保険の役割が大きくなります。
大切なのは、「加入するか、まったく加入しないか」という二択ではなく、自分の家計にとって不足する保障がどの程度あるかを確認することです。
医療保険を考える前に公的保障を確認する
日本では医療費の全額を自己負担するわけではない
日本では公的医療保険制度により、保険診療を受けた際の自己負担割合が抑えられています。一般的な現役世代の自己負担割合は3割ですが、年齢や所得によって異なります。さらに、1か月の自己負担額が一定水準を超えた場合には、高額療養費制度を利用できます。
つまり、病院で行われた治療の総額が100万円だったとしても、100万円をすべて自分で支払うわけではありません。まず健康保険によって窓口負担が抑えられ、さらに高額療養費制度によって一定額を超えた部分が支給対象になります。
金融庁も、民間保険は公的保険を補完するものとして、公的保障の内容を理解したうえで必要に応じて加入することが大切だと案内しています。医療保険を選ぶ前に公的制度を確認するのは、保障の重複や保険料の払いすぎを防ぐためです。
高額療養費制度とは
高額療養費制度は、医療機関や薬局で支払った保険診療の自己負担額が、1か月の上限を超えた場合に、その超過分が支給される制度です。自己負担限度額は一律ではなく、年齢や所得区分によって決まります。
例えば、厚生労働省が示している現行制度の例では、70歳未満で年収約370万円から約770万円の所得区分に該当する人が、1か月に総医療費100万円の治療を受けた場合、3割負担なら窓口負担は30万円です。しかし、高額療養費制度を利用すると、最終的な自己負担額は8万7,430円となります。
計算式は、次のとおりです。
8万100円+(総医療費100万円-26万7,000円)×1%=8万7,430円
窓口で30万円を支払った場合、自己負担限度額を超えた部分が後から支給されます。また、マイナ保険証を利用して限度額情報の提供に同意する方法などにより、医療機関での支払いを原則として自己負担限度額までに抑えられる場合があります。
高額療養費制度を知らず、医療費100万円という数字だけを見て、100万円近い医療保障を民間保険で準備しようとすると、保障を持ちすぎる可能性があります。医療保険の保障額を考えるときは、必ず高額療養費制度適用後の負担額を基準にすることが大切です。
高額療養費制度は1か月単位で計算される
高額療養費制度で注意したいのは、原則として毎月1日から末日までの暦月単位で計算されることです。
例えば、同じ30日間の入院でも、6月1日から6月30日まで入院する場合と、6月16日から7月15日まで入院する場合では、自己負担額が異なる可能性があります。後者は医療費が6月分と7月分に分けて計算され、それぞれの月で自己負担限度額まで負担することがあるからです。
治療が複数月にわたる場合は、単純に「1回の入院につき自己負担は約9万円」と考えることはできません。入院時期や治療期間、毎月の医療費によって負担額は変わります。
同じ世帯の家族が同じ月に一定額以上の医療費を負担した場合には、条件を満たせば世帯合算が利用できます。また、直近12か月間に高額療養費の支給対象となった月が3回以上ある場合、4回目以降の限度額が引き下げられる「多数回該当」という仕組みもあります。
なお、高額療養費制度については2026年8月から自己負担限度額の見直しと、新たな年間上限の導入が予定されています。制度の詳細や自分の所得区分については、実際に利用する時点で、加入している健康保険や厚生労働省の案内を確認してください。
高額療養費制度の対象にならない費用もある
高額療養費制度があるからといって、入院や治療に伴う支出がすべて自己負担限度額の範囲に収まるわけではありません。同制度の対象になるのは、原則として公的医療保険が適用される医療費です。
代表的な対象外費用には、次のようなものがあります。
- 希望して個室などを利用した場合の差額ベッド代
- 入院中の食事にかかる自己負担
- 先進医療の技術料
- 自由診療などの保険適用外費用
- 通院や家族の見舞いにかかる交通費
- 入院時の日用品や衣類、レンタル用品
- 家事代行、ベビーシッター、介護サービスなどの費用
差額ベッド代については、本人が希望しない場合や治療上の必要性から個室へ入った場合など、一定のケースでは請求されないことがあります。ただし、自分で個室を希望すれば、費用は原則として高額療養費制度の対象になりません。
先進医療も、技術料は全額自己負担です。ただし、診察、検査、投薬、入院料などのうち、通常の保険診療と共通する部分には公的医療保険が適用されます。「先進医療を受けると治療に関するすべての費用が全額自己負担になる」という意味ではありません。
医療保険の必要額を試算するときは、保険診療の自己負担額と、それ以外の支出を分けて考える必要があります。
医療費以上に家計へ影響する「収入減少」
会社員には傷病手当金がある
会社員など健康保険の被保険者が、業務外の病気やけがによって働けず、給与を受けられない場合には、一定の条件を満たすと傷病手当金を受給できます。
協会けんぽの場合、1日当たりの支給額は、原則として支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30で割り、その3分の2を乗じて計算します。実際の手取り給与の3分の2ではなく、標準報酬月額を基礎に計算される点には注意が必要です。
傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月です。連続する3日間の待期を経て、4日目以降の休業日が支給対象となります。勤務先から給与の一部を受け取っている場合は、傷病手当金が減額されることがあります。詳しい条件は、全国健康保険協会の傷病手当金に関する案内などで確認できます。
勤務先によっては、傷病手当金に加えて、休職期間中の給与補償、見舞金、団体保険などを用意していることがあります。健康保険組合が独自の付加給付を設け、高額療養費制度の法定限度額よりも実質的な医療費負担を低くしているケースもあります。
これらの保障が充実していれば、個人で加入する医療保険を小さくできる可能性があります。医療保険を検討する前に、就業規則、福利厚生の案内、加入する健康保険組合の給付内容を確認しておきましょう。
傷病手当金があっても収入全額は保障されない
傷病手当金がある会社員でも、療養中の収入が働いていたときと同じになるわけではありません。基本給以外の残業代や各種手当がなくなり、賞与が減額される可能性もあります。一方で、住宅ローンや家賃、教育費、通信費などの固定費は、休業中も支払いが続きます。
また、本人が入院した場合、配偶者が見舞いや育児のために勤務時間を減らすことも考えられます。本人の収入減少だけでなく、世帯全体の収入が減少する可能性まで想定しておく必要があります。
医療保険の入院給付金は、契約で定められた入院や手術を受けた場合に支払われます。病気で働けない期間の生活費を全面的に保障するものではありません。短期入院後に自宅療養が続いた場合、入院日額型の医療保険では、退院後の期間について給付を受けられないこともあります。
家計上の問題が治療費なのか、収入減少なのかを分けて考えなければ、医療保険の日額だけを増やしても十分な対策にならない場合があります。
自営業者やフリーランスは休業への備えがより重要
自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険には、会社員の健康保険と同じ傷病手当金が原則として設けられていません。そのため、病気やけがで仕事を休むと、医療費の負担と売上の減少が同時に発生する可能性があります。
さらに、仕事を休んでいても、事務所の家賃、借入金の返済、システム利用料などの事業固定費が続くことがあります。自営業者の場合、入院費用だけを計算するのではなく、生活費と事業費を含めて、働けない期間にいくら必要になるかを確認しなければなりません。
ただし、自営業者だから医療保険の入院日額を大きくすればよいわけではありません。長期の自宅療養や、入院を伴わない治療では、医療保険から十分な給付を受けられない可能性があります。まずは生活防衛資金を厚めに確保し、必要に応じて医療保障と就業不能への保障を分けて考える方が、目的を明確にできます。
貯蓄があれば医療保険はいらないのか
保険と貯蓄は得意な役割が異なる
「医療保険に支払うお金を貯蓄しておけばよい」という考え方には、一定の合理性があります。貯蓄は病気にならなかった場合でも失われず、住宅修繕、教育費、介護費、老後生活費などに自由に使えるからです。
一方、貯蓄には準備するまで時間がかかります。医療費として100万円を貯める予定でも、積み立てを始めた直後に病気になれば、必要な金額はまだ準備できていません。医療保険は、責任開始後に契約上の条件を満たせば、加入から比較的早い段階でも給付を受けられます。
つまり、貯蓄は使い道の自由度が高い反面、準備途中のリスクに弱く、保険は使い道や給付条件が決まっている反面、準備途中の大きな支出に対応しやすいという違いがあります。
資産形成を始めたばかりの世帯では、貯蓄が増えるまで医療保険で一定の保障を確保し、預貯金が増えた段階で保障額を減らす方法も考えられます。保険と貯蓄のどちらか一方に決めるのではなく、資産形成の進み具合に応じて割合を変えていく考え方です。
「貯蓄がある」だけでは医療保険が不要とはいえない
医療保険の必要性を判断するときは、預貯金の総額ではなく、そのうち医療費として自由に使える金額を確認する必要があります。
例えば、預貯金が300万円あっても、その大部分を1年後の住宅購入や子どもの進学費用に使う予定なら、医療費に回せる余力は大きくありません。病気になったときに教育費を取り崩し、教育ローンなどを利用することになれば、医療費そのものは支払えても、家計全体の計画が崩れてしまいます。
反対に、医療費として数十万円を支払っても、十分な生活防衛資金と予定資金が残る人は、医療保険の必要性が低くなります。
判断するときは、次のように資金を分けて考えます。
- 病気や失業などに備える生活防衛資金
- 数年以内に使う教育費や住宅資金
- 医療費として取り崩してもよい余裕資金
- 長期的な老後資金
- NISAなどで運用している価格変動資産
「病院へ支払うお金があるか」だけでなく、支払った後も家計を維持できるかが判断のポイントです。
NISAやiDeCoを医療費の予備資金にしない
NISA口座にまとまった運用資産があれば、必要なときに売却して医療費へ充てることはできます。しかし、病気になる時期を選ぶことはできません。療養が必要になった時期と株式市場の下落が重なれば、含み損のある資産を売却することになります。
さらに、医療費の支払いによって運用資産を取り崩せば、その後の資産形成にも影響します。そのため、NISAの残高をそのまま医療費の備えとして数えるのではなく、短期的に必要となる可能性がある資金は預貯金で分けて確保した方が安定します。
iDeCoは原則として60歳まで資産を引き出せないため、現役時代の医療費や生活防衛資金には利用できません。NISAやiDeCoを利用している人ほど、投資へ回す前に、すぐに使える預貯金を確保しておくことが大切です。

医療保険の必要性が比較的低い人
医療費を負担しても生活防衛資金が残る人
高額療養費制度適用後の自己負担額、制度対象外費用、数か月分の収入減少を預貯金で賄っても、生活防衛資金が十分に残る人は、医療保険の必要性が比較的低いと考えられます。
特に、教育費や住宅資金などを別に確保し、医療費として使える余裕資金がある場合は、保険料を支払う代わりに預貯金を厚くする方法も選べます。病気にならなければ、その資金を介護費や老後生活費へ転用できる点もメリットです。
ただし、預貯金で対応する方針を選ぶなら、医療費用の資金をほかの支出に使わない管理が必要です。「保険に入らない」と決めただけで、その分を貯蓄していなければ、十分な備えにはなりません。

勤務先や健康保険組合の保障が充実している人
傷病手当金に加えて休職中の給与補償があり、健康保険組合の付加給付によって医療費の自己負担も抑えられる人は、民間医療保険の保障を小さくできる可能性があります。
ただし、勤務先の保障は転職や退職によって失われることがあります。団体医療保険も、退職後に継続できるとは限りません。現役中の保障が充実していることと、老後も医療保険が不要であることは分けて考える必要があります。
勤務先保障を前提に医療保険を持たない場合は、転職、独立、退職などのタイミングで改めて見直しましょう。
貯蓄の取り崩しに抵抗が少ない人
数字上は十分な預貯金があっても、「病気のときに貯蓄が減るのは不安」と感じる人はいます。反対に、医療費は必要なときに預貯金から支払えばよいと割り切れる人もいます。
保険に加入するかどうかは、数学的な費用対効果だけでは決まりません。給付を受けなければ保険料が戻らない可能性を重視する人には、貯蓄による備えが合いやすいでしょう。一方、将来の支出を一定の保険料に置き換えたい人には、最低限の医療保険が安心につながることがあります。
医療保険を検討する価値が高い人
貯蓄がまだ少ない人
就職、結婚、出産、住宅購入などの直後は、資産形成の途中で預貯金が少ないことがあります。この時期に入院や手術が必要になると、高額療養費制度を利用しても家計への影響は小さくありません。
特に、医療費を支払うことで生活費が不足したり、カードローンなどの借入れが必要になったりする場合は、一定の医療保障を確保する意味があります。貯蓄が増えるまで定期型の保障を利用し、その後に保障を減らす方法も選択肢です。
子育て中で家計の余裕が少ない人
子育て世帯では、医療費の負担が教育費や日常生活費へ影響しやすくなります。本人の入院中に配偶者が勤務時間を減らしたり、家事代行やベビーシッターを利用したりすれば、治療費以外の支出も発生します。
共働きであっても、「収入源が二つあるから安心」とは限りません。どちらか一方が療養し、もう一方も付き添いや育児で働き方を変えれば、世帯収入が同時に減少する可能性があります。夫婦それぞれについて、入院した場合の収入減少と追加支出を試算する必要があります。

自営業者など休業時の保障が薄い人
自営業者やフリーランスは、会社員より公的な休業保障が薄い傾向があります。仕事を休むことで収入が大幅に減る場合には、医療費だけを預貯金で賄えても、生活費や事業費が不足するかもしれません。
このような場合は医療保険を検討する価値がありますが、入院給付金だけで休業リスク全体を補うのは難しいことがあります。医療保険、就業不能への保障、生活防衛資金を、それぞれの目的に分けて準備することが大切です。
老後の医療費に強い不安がある人
現在の貯蓄額で医療費を負担できる人でも、老後に資産が減っていくことへ不安を感じる場合があります。医療保険へ加入することで期待値上の利益が得られるとは限りませんが、老後の医療費の一部をあらかじめ保険料として負担し、将来の不確実性を小さくすることはできます。
医療保険を費用対効果だけで選ぶ人もいれば、老後の安心のために加入する人もいます。どちらが正しいというものではありません。ただし、安心を求めるあまり多くの特約を付け、老後まで高額な保険料を払い続ける設計は避けたいところです。
老後の安心を目的にするのであれば、将来の治療方法に左右されにくい基本保障を小さく確保し、残りは預貯金で備える方法が現実的です。

医療保険を利用する可能性は高齢期ほど高まる
医療保険の費用対効果を考えるとき、若いうちの利用状況だけで判断するのは適切ではありません。一般に、医療機関を利用する可能性は年齢とともに高まり、特に入院は高齢期に増える傾向があるからです。
厚生労働省の「令和5年患者調査」によると、人口10万人当たりの入院受療率は全年齢で945人であるのに対し、65歳以上では2,449人、75歳以上では3,351人となっています。外来受療率についても、全年齢の5,850人に対して、65歳以上では1万208人、75歳以上では1万1,333人です。受療率は特定の調査日に医療を受けていた患者の割合を示すものであり、個人が将来入院する確率と同じではありませんが、高齢になるほど医療を利用する人が増える傾向は読み取れます。
医療保険へ加入しても、20代や30代では一度も給付を受けない可能性があります。しかし、それだけで「保険料が無駄だった」とは言い切れません。終身医療保険は、若い時期だけでなく、医療を利用する可能性が高まる高齢期まで保障を継続することを目的とした商品だからです。
もちろん、高齢期の医療費をすべて保険で準備する必要はありません。公的医療保険や高額療養費制度があり、一定の預貯金があれば自己資金でも対応できます。ただし、退職後は現役時代のような給与収入がなくなり、年金や資産の取り崩しが生活の中心になります。その時期に医療費が重なることへ不安を感じるのであれば、一定の終身保障を持つ考え方も選択肢になります。
高齢になってから医療保険へ加入すればよいとは限らない
「若いうちは医療保険を持たず、病気が増えそうな50代や60代になってから加入すればよい」と考える人もいます。しかし、民間の医療保険は、必要性を感じた時点で必ず加入できる商品ではありません。
医療保険へ申し込む際には、一般に過去の病歴、現在の健康状態、一定期間内の診察・検査・投薬・入院・手術歴などについて告知します。保険会社は、その内容や商品ごとの引受基準に基づいて、契約を引き受けるかどうかを判断します。
年齢を重ねると、生活習慣病の治療を始めたり、健康診断で再検査を指示されたりする可能性が高まります。健康状態によっては、次のような結果になることがあります。
- 希望する医療保険に加入できない
- 特定の病気や身体の部位が一定期間保障されない
- 通常より保険料が割り増しになる
- 通常の医療保険ではなく、引受基準緩和型を検討することになる
引受基準緩和型医療保険は、通常の医療保険より告知項目が少なく、持病や治療歴がある人でも申し込める可能性があります。一方で、一般に通常の医療保険より保険料が高く、契約後の一定期間は給付額が削減されるなど、商品ごとに条件が設けられている場合があります。
病気になってから医療保険を探すと、その病気が保障対象外になったり、加入できなかったりする可能性があります。「医療保険が必要になったら加入する」という方法には、必要性が高まったときには選択肢が狭くなっているという問題があるのです。
なお、告知では質問された事項に対して事実を正確に回答する必要があります。営業担当者へ口頭で病歴を伝えただけでは、正式な告知にならない場合があります。告知義務違反と判断されると、契約が解除されたり、給付金を受け取れなかったりする可能性があるため、自己判断で病歴を省略してはいけません。
終身医療保険は早く加入しても累計保険料が大きく変わらない場合がある
終身医療保険については、「若いうちに加入すると、長い期間保険料を払うので損になる」と考えられがちです。確かに、20歳で加入した人は、50歳で加入した人より30年早く保険料の支払いを始めます。ただし、20歳と50歳では毎月の保険料が同じではありません。
一般に、終身医療保険は加入年齢が若いほど月額保険料が低く、加入年齢が高いほど月額保険料が高く設定されます。20歳で加入すれば支払期間は長くなりますが、毎月の負担は低くなります。50歳で加入すれば支払期間は短くなるものの、毎月の保険料は高くなります。
そのため、平均寿命付近まで生きて保険料を払い続ける前提では、同一商品・同一保障内容の20歳加入と50歳加入を比較しても、累計保険料に加入時期の30年ほど大きな差が生じないケースがあります。
仮に、20歳加入の月額保険料が2,000円、50歳加入が4,000円で、いずれも85歳まで保険料を支払うとします。単純計算では、累計保険料は次のようになります。
- 20歳加入:2,000円×12か月×65年=156万円
- 50歳加入:4,000円×12か月×35年=168万円
これは仕組みを理解するための仮定の数字であり、実際の保険料を示すものではありませんが、支払期間が長いだけで早期加入が必ず大幅に不利になるわけではないことが分かります。
さらに、この例では20歳で加入した人は、50歳で加入した人より30年間長く保障を受けています。平均寿命までの累計保険料が近いのであれば、健康なうちに加入し、若年期から高齢期まで保障を確保することには一定の合理性があります。
ただし、どの終身医療保険でも、加入年齢にかかわらず累計保険料が同じになるわけではありません。商品、性別、保障内容、払込期間、保険料払込免除の有無などによって結果は変わります。また、何歳まで生きるかによっても累計保険料は異なります。
加入時期を比較するときは、月額保険料だけでなく、80歳、85歳、平均寿命など同じ年齢まで支払った場合の累計額を確認しましょう。そのうえで、早く加入することで得られる保障期間と、保険料を貯蓄や運用に回した場合の効果を比較する必要があります。
早く加入するメリットは保険料の安さだけではない
終身医療保険へ早く加入する主なメリットは、「月額保険料が安いこと」だけではありません。より大きな意味を持つのは、保障期間と加入資格です。
健康なうちに加入すれば、希望する保障を通常の条件で確保しやすくなります。加入後に病気になっても、更新のない終身型であれば、契約が有効に継続されている限り、その病気を理由に保障が打ち切られるものではありません。
また、若いうちから加入すれば、その分だけ保障を受けられる期間が長くなります。若年期は高齢期より入院の可能性が低い傾向にありますが、病気やけがが起こらないわけではありません。累計保険料が中高年加入と大きく変わらない商品であれば、早い段階から保障を得られることはメリットになります。
一方、早期加入にも注意点があります。数十年後には医療環境や公的制度が変わり、現在の保障内容が実態に合わなくなる可能性があります。また、若いうちから高額な保険料を支払うことで、生活防衛資金や資産形成が進まなくなることもあります。
したがって、早めに加入する場合ほど、保障を過大にせず、将来も使い道を限定されにくい基本的な内容に絞ることが大切です。
老後の安心を目的に医療保険へ加入する考え方
保険の必要性を純粋な費用対効果から判断するなら、十分な預貯金を持ち、医療費を自己負担できる人は、医療保険を持たない選択もできます。給付金の総額が支払保険料を上回るとは限らず、使わなかった保険料を貯蓄しておけば、ほかの目的にも利用できるからです。
しかし、すべての人が費用対効果だけで保険を選ぶ必要はありません。退職後に年金と資産の取り崩しで生活するなか、入院のたびに預貯金が減ることへ強い不安を感じるなら、その一部を終身医療保険で補う考え方もあります。
この場合の医療保険は、資産を増やすための商品ではなく、老後に発生するかもしれない支出の一部を、現役時代から一定の保険料に置き換える手段です。給付を受けなければ金銭的には得にならない可能性がありますが、保障があることで安心して生活できるなら、その安心にも一定の価値があります。
ただし、老後の安心を理由に大きな保障を持つ必要はありません。保険料が家計を圧迫し、そのために老後資金が不足すれば本末転倒です。基本的な終身保障を小さく持ち、それを超える医療費は預貯金で補う形が現実的でしょう。
終身医療保険と定期医療保険はどちらがよいか
定期医療保険が向いているケース
定期医療保険は、10年間や一定年齢までなど、保障期間が定められている医療保険です。一般に、加入当初の保険料を抑えやすいため、貯蓄ができるまでの期間や、子育て中など家計責任が重い期間だけ保障を持ちたい人に向いています。
例えば、現在は預貯金が少ないものの、10年後には生活防衛資金を十分に準備できる見込みがあるなら、その期間だけ医療保険で補う方法があります。貯蓄の増加に合わせて、将来は保障を減らしたり、保険を終了したりできます。
一方、更新型の定期医療保険は、更新時の年齢に応じて保険料が上がることがあります。高齢になるほど負担が増え、最も保障を残したい時期に継続が難しくなる可能性もあります。一定年齢で更新できなくなる商品もあるため、契約時には更新後の保険料と保障終了年齢を確認しましょう。
終身医療保険が向いているケース
終身医療保険は、契約を有効に継続している限り、原則として一生涯の医療保障を確保する商品です。高齢期まで基本保障を残したい人、健康状態が良いうちに将来の保障を確保したい人、老後の医療費に対する安心を重視する人に向いています。
加入時の保険料がその後変わらないタイプであれば、老後の支出も見通しやすくなります。ただし、終身保障だからといって、保険料の支払いも自動的に一定年齢で終わるわけではありません。
終身払を選べば、月額保険料は比較的抑えられますが、保障を継続する限り老後も支払いが続きます。60歳払済や65歳払済などの短期払を選べば、現役中に支払いを終えられる一方、毎月の保険料は高くなります。
老後の固定費を減らすなら短期払が魅力的に見えますが、途中で契約を見直したり解約したりすると、それまで高い保険料を負担した効果を十分に得られない場合があります。現在の家計負担、累計保険料、契約を長期間維持する可能性を比較して選ぶことが大切です。
医療保険に入るなら基本保障を中心にする
入院日額ではなく家計の不足額から考える
医療保険を選ぶ際に、「入院日額は5,000円と1万円のどちらがよいか」から考え始める人は少なくありません。しかし、先に確認すべきなのは、入院したときに家計でいくら不足するかです。
高額療養費制度、傷病手当金、健康保険組合の付加給付、勤務先の休職制度、預貯金を確認し、それでも足りない金額を計算します。不足額が小さいなら、入院日額や一時金も小さくできます。十分な預貯金がある場合は、民間保険を持たない判断も可能です。
また、現在は入院を伴わない治療や短期入院もあります。入院日数に応じて給付される保障だけでは、通院中の収入減少や生活費を十分に補えない可能性があります。入院日額だけを大きくするのではなく、入院一時金や手術給付金を含め、どのような条件で給付されるかを確認しましょう。
基本的な保障は将来も使いやすい
医療保険は数十年間継続する可能性があります。その間に、医療技術や標準的な治療方法が変わることは十分に考えられます。
そのため、長期的な保障を目的に加入するなら、特定の病名や治療方法へ細かく依存する保障より、所定の入院や手術などを幅広く対象とする基本保障の方が、汎用性は高くなります。契約内容がシンプルであれば、どのような場合に給付を受けられるか理解しやすく、請求漏れも防ぎやすくなります。
ただし、「基本保障」という名称だけで判断してはいけません。入院給付金の1回当たりの支払限度日数、通算限度日数、手術給付金の対象、日帰り入院の定義などは商品によって異なります。パンフレットだけでなく、契約概要や注意喚起情報、約款も確認する必要があります。
治療方法に連動する特約は慎重に選ぶ
医療保険には、放射線治療、抗がん剤治療、特定手術など、一定の治療を受けた場合に給付される特約があります。現在の医療に合った保障を準備できる点はメリットですが、数十年後も同じ治療方法が主流とは限りません。
医療技術の進歩によって、現在の治療方法が別の方法へ置き換わったり、入院中心だった治療が通院中心になったりする可能性があります。保障が約款で定められた治療方法に限定されている場合、新しい治療を受けても給付条件に該当しないことが考えられます。
終身医療保険では、将来の治療方法を正確に予測することはできません。そのため、長期間の保障を目的にするなら、治療方法を細かく指定する特約を増やすより、診断一時金や入院・手術の基本給付など、比較的用途を限定されにくい保障を中心にする考え方があります。
もっとも、治療連動型の特約がすべて不要というわけではありません。現在の治療実態に合い、給付条件が広く、保険料も家計に無理のない範囲であれば、役立つことがあります。大切なのは、特約の名称ではなく、何を受けたときに、何回まで、いくら支払われるかを確認することです。
特約は発症リスクと家計への影響から厳選する
がん、三大疾病、女性疾病、先進医療、通院などの特約をすべて付けると、保障は手厚く見えます。しかし、一つひとつは少額でも、合計すれば毎月の保険料が大きくなります。
特約を選ぶときは、「その病気が怖いか」ではなく、次の点を確認します。
- 自分にとって発症リスクが相対的に高いか
- 発症した場合に長期療養や大きな収入減少が想定されるか
- 公的保障と基本保障では埋められない負担があるか
- 預貯金で対応するとほかのライフプランが崩れるか
- 保険料を長期間支払っても家計を圧迫しないか
家族や血縁者に特定の病気を発症した人が多い場合など、家族歴はリスクを考える材料の一つになります。ただし、家族歴があるからといって、自分も必ず発症するわけではありません。反対に、家族歴がなくても病気になる可能性はあります。
遺伝性が疑われる病気については、保険募集人の説明だけで発症可能性を判断せず、必要に応じて医師や遺伝カウンセリングなどの専門家へ相談することも大切です。そのうえで、相対的に発症リスクが高く、発症した場合の家計負担を基本保障や預貯金では吸収しにくいと判断できるものに限って、特約を検討するとよいでしょう。
FP相談の現場で想定される3つの事例
事例1|30代共働きで子育て中、貯蓄が少ない世帯
夫婦とも会社員で傷病手当金を利用できますが、住宅費と教育費の負担があり、すぐに使える預貯金は多くありません。この世帯では、一度の入院で教育費用の預金を取り崩す可能性があります。
この場合、夫婦それぞれに最低限の医療保障を確保しながら、生活防衛資金を増やす方法が考えられます。医療費の全額を保険で準備するのではなく、高額療養費制度適用後の負担と収入減少の一部を補える程度にします。貯蓄が増えた段階で、保障額を減らすこともできます。
事例2|40代会社員で十分な預貯金がある世帯
勤務先の健康保険組合に付加給付があり、入院しても自己負担が一定額まで抑えられます。さらに、医療費を支払っても十分な生活防衛資金が残ります。
この場合、医療保険を持たず自己資金で対応する選択にも合理性があります。一方、老後に医療費で預貯金が減ることへの不安が強いなら、大きな保障ではなく、基本的な終身保障だけを残す方法もあります。
すでに医療保険へ加入している場合は、不要な特約を整理することも考えられます。ただし、先に解約してしまうと、現在の健康状態によっては再加入できません。新しい保障の必要性と加入可能性を確認してから見直します。
事例3|50代自営業者で老後の医療費が心配なケース
自営業者は、医療費そのものよりも、働けない間の売上減少が家計へ大きな影響を与える可能性があります。まずは生活費と事業固定費を含めた生活防衛資金を確保することが優先です。
そのうえで、現在の健康状態で加入でき、老後も無理なく保険料を支払える基本保障を検討します。多くの特約を付けて保険料を高くするより、医療保険と預貯金、必要に応じた就業不能への備えを組み合わせる方が、家計全体の目的に合いやすくなります。
医療保険選びで初心者が陥りやすい失敗
高額療養費制度を知らずに保障を増やす
医療費の総額をそのまま自己負担額だと考え、大きな入院給付金を契約してしまうケースです。公的保障を考慮しなければ、必要以上の保険料を長期間支払うことになります。
反対に、「高額療養費制度があるから一切備えなくてよい」と考えるのも極端です。制度対象外費用、収入減少、月をまたぐ治療なども含めて試算しましょう。
保険を損得だけで判断する
支払保険料より受取給付金が少なければ損だと考えると、保険本来の役割を見失います。保険は資産を増やす商品ではなく、発生時期を予測できない負担を家計から保険会社へ移す仕組みです。
一方で、「安心のため」という理由だけで保障を増やすのも適切ではありません。保険料を支払うことで貯蓄ができなくなれば、病気以外のリスクへ対応できなくなります。保険料に見合う安心が得られるかを、家計全体で判断する必要があります。
月額保険料だけで加入時期を判断する
20歳の保険料と50歳の保険料を比べて、「20歳の方が安いから得」「20歳から長く払うから損」と単純に判断するケースです。
比較する際は、同じ保障内容を使い、同じ年齢までの累計保険料を計算します。そのうえで、早く加入することで長く得られる保障、将来加入できなくなるリスク、保険料を貯蓄に回す効果を比べましょう。
特約を付けすぎる
病名の付いた特約は、具体的で分かりやすいため必要に感じやすいものです。しかし、給付条件を確認すると、特定の状態や治療方法に該当しなければ支払われない場合があります。
不安な病気をすべて特約で網羅するのではなく、基本保障と預貯金で不足する部分が明確なものだけを選びましょう。
新しい保険へ加入する前に既契約を解約する
医療保険を見直す際、先に現在の契約を解約すると、新しい保険の審査に通らなかった場合に無保障になります。新しい契約に特別条件が付いたり、免責期間が設けられたりする可能性もあります。
新しい契約の成立、責任開始日、給付条件を確認してから、現在の契約を整理することが基本です。
医療保険が必要か判断する6つのステップ
医療保険の必要性は、次の順番で整理すると判断しやすくなります。
ステップ1|公的医療保険を確認する
自分が加入している健康保険と、高額療養費制度の所得区分を確認します。多数回該当や世帯合算、自治体独自の医療費助成についても調べておきましょう。
ステップ2|勤務先や働き方の保障を確認する
会社員は傷病手当金、健康保険組合の付加給付、休職中の給与、見舞金、団体保険を確認します。自営業者は、働けない間に減少する売上と、継続する事業固定費を計算します。
ステップ3|療養時の家計負担を試算する
保険診療の自己負担だけでなく、食事代、差額ベッド代、交通費、日用品、家事・育児の代替費用、収入減少を合計します。治療が複数月に及ぶケースも想定します。
ステップ4|すぐに使える預貯金を確認する
NISAなどの運用資産ではなく、価格変動がなく、すぐに使える預貯金を確認します。そこから生活防衛資金、教育費、住宅資金を除き、医療費へ回せる金額を算出します。
ステップ5|不足する部分だけを保険で補う
療養時の家計負担から、公的保障、勤務先保障、利用可能な預貯金を差し引きます。残った不足額が、民間保険で補う候補です。基本保障から検討し、特約は不足が明確なものに限定します。
ステップ6|加入時期と累計保険料を比較する
20歳、30歳、40歳、50歳など複数の加入年齢について、同じ保障内容で月額保険料と累計保険料を比較します。終身払と60歳・65歳払済などは分けて計算し、同じ終了年齢までの総額を確認します。
最終的には累計保険料だけでなく、早期加入によって得られる保障期間、将来の健康状態による加入制限、老後の安心感まで含めて判断します。
医療保険は定期的に見直す
医療保険は一度加入したら、そのまま一生放置してよいものではありません。結婚、出産、住宅購入、子どもの独立、転職、独立、退職などによって、必要な保障は変わります。預貯金が増えれば、以前より保険への依存を小さくすることもできます。
公的医療保険や高額療養費制度、勤務先の福利厚生が変わった場合も見直しのタイミングです。ただし、新しい商品が発売されたという理由だけで乗り換える必要はありません。古い契約の方が給付条件や保険料で有利な場合もあります。
見直すときは、新旧契約の保険料だけでなく、入院給付金の支払限度、手術給付金の対象、特約の給付条件、保険料払込期間を比較します。現在の健康状態で新しい保険へ加入できるかを確認することも欠かせません。
まとめ|公的保障と貯蓄で足りない部分を医療保険で補う
医療保険は、すべての人に必須でも、すべての人に不要でもありません。高額療養費制度によって保険診療の自己負担は抑えられますが、差額ベッド代や食事代、交通費、保険適用外費用、療養中の収入減少まですべて保障されるわけではありません。
十分な預貯金があり、勤務先の休職制度や健康保険組合の付加給付も充実している人は、医療保険を持たず自己資金で対応する選択ができます。一方、貯蓄が少ない人、子育て中で家計に余裕がない人、自営業者など休業時の保障が薄い人は、民間保険を検討する価値が高くなります。
また、医療を利用する可能性は一般に高齢期ほど高くなります。しかし、高齢になってからでは、健康状態によって希望する医療保険へ加入できない可能性があります。健康なうちに保障を確保することには、将来の選択肢を守る意味があります。
終身医療保険では、若く加入すると保険料を支払う期間は長くなりますが、月額保険料は低くなります。平均寿命付近まで支払う前提では、20歳加入と50歳加入で累計保険料が大きく変わらない商品もあります。累計額が近いのであれば、早く加入した方が、その分だけ長く保障を受けられます。
ただし、累計保険料は商品や払込期間によって異なるため、月額だけでなく、同じ年齢まで支払った総額を実際の設計書で比較することが必要です。
加入する場合は、将来の医療技術や治療方法の変化も考え、基本的で汎用性の高い保障を中心にします。特約は、家族歴なども含めて発症リスクが相対的に高く、発症した場合の家計負担を預貯金や基本保障で補いにくいものに絞るとよいでしょう。
保険は資産を増やすための商品ではありません。費用対効果を重視して貯蓄で備える方法にも、老後の安心を得るために小さな終身保障を持つ方法にも、それぞれ合理性があります。保険だけを切り離して損得を判断するのではなく、公的保障、預貯金、働き方、家族構成、資産形成を含めた家計全体から、自分に合った備え方を選ぶことが大切です。


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