しばらく前に老後2000万円問題って騒がれたじゃない?
あれってどういうことなの?
本当にそんなに必要なの?
すべての人が老後2000万円必要かといえば、そうではない。
でもすべての人が2000万円で足りるかといえば、そうでもないんだ。
なんだかあいまいね。
どうしたら老後に必要な額が分かるのかしら。
老後に必要な金額は、積み立ててきた年金額やリタイア後にどんな生活を送るかによって大きく変わってくるんだ。
だから今日は、基本的な計算方法などを含めて、老後の必要額について学んでみようか。
そうね!ぜひお願いします!
なぜ老後の必要額を知る必要があるのか
健康でなければ、仕事はできません。
しかし、本当にお金が必要になるのは健康でなくなったときです。
介護費用や医療費など、出費は増え続けていきます。
どんなに出費が増えても、そこからは年金に頼る以外に選択肢はありません。
平均寿命が延び高齢者の医療費が増大していること。
生活費に対する年金支給額の相対的減少が避けられない事実。
それらを踏まえ、年金生活を始める前に老後の必要額を知り、備えておくことは非常に重要になってくると言えます。
リタイア後の必要額はどう算出するか
退職する年齢、年金支給額、生活水準は様々です。
それで、以下の考え方で必要額と不足額を計算してみるといいでしょう。
必要額=いまの月々の生活費(健康な生活)+ 介護費用(おおよその延命期間10年)
不足額=年金定期便での支給想定額-必要額
【条件1】
・厚生年金受給者
・65歳で退職
・85歳まで健康
・最後の10年は施設などを利用
・月の生活費25万円
・年金支給額22万円
上記の条件で計算すると、以下のとおりになります。
{年金定期便での支給想定額(22万円/月)-現在の平均生活費(25万円/月)}×12ヶ月×20年=▲720万円
{年金定期便での支給想定額(22万円/月)-〈現在の平均生活費(25万円/月)+ 施設などでの生活費(7.8万円/月)〉}×12ヶ月×10年=▲1296万円
なんと、65歳から95歳までの合計赤字額は2016万円になる計算になります。
それらの不足額をどうやって賄うことができるでしょうか。
どうやって備えるか
年金を増やす
IDECO
個人型確定拠出年金のことです。
自己責任での運用になるため、ある程度リスクを承知の上で行う必要があります。
しかしほかの資産運用に比べ税制面での優遇があるため、効率よく老後資金を貯蓄できるでしょう。
定年での受取と年金としての受取を選ぶことができ、掛金は以下の範囲となります。
対象 | 掛金 |
---|---|
第1号被保険者(自営業等)の方 | 5,000円~68,000円 |
第2号被保険者(企業年金、企業型確定拠出年金未加入の方 | 5,000円~23,000円 |
第2号被保険者(企業型確定拠出年金加入者) | 5,000円~20,000円 |
第2号被保険者(企業年金加入者、または共済組合員) | 5,000円~12,000円 |
第3号被保険者(専業主婦(夫)等) | 5,000円~23,000円 |
受取方法は年金、一時金、併給のうちから選ぶことができます。
年金の場合は5年以上20年以下の期間から、1年刻みで選択することができます。
受取額は運用益により変動することに注意が必要です。
適切な投資先を選ぶようにしましょう。
付加年金(国民年金加入者)
国民年金第1号被保険者ならびに任意加入被保険者は、定額保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、受給する年金額を増やせます。
付加保険料の月額は400円です。
付加年金額(年額)は「200円×付加保険料納付月数」で計算され、老齢基礎年金に上乗せされることになります。
最大加入期間は20歳~60歳の40年であるため、最大上乗せ額は年額96000円となり、生涯支給されます。
国民年金第1号被保険者にとって、お得な制度と言えるでしょう。
定期預金
医療費や介護費用など、まとまったお金が必要になる機会に備え、短期と長期に分けてある程度の額を定期預金にしておきましょう。
これは家計の現金貯蓄と目的が異なるため、その時が来るまできちんと分けておきましょう。
なるべく長く働き、受給開始タイミングを遅らせる
年金の繰り下げ受給によって、年金額を増やす方法があります。
増額率は、「繰下げ月数×0.7%(0.007)」、最大「42%(0.42)」です。
たとえば67歳まで働き年金受給開始を2年(24ヶ月)遅らせると、年金額が16.8%上乗せされます。
平均的な厚生年金支給額である22万円に16.8%を上乗せすると25万6960円となり、高齢者世帯の生活費平均25万円に届くことになり、赤字を解消することができます。
もちろん支給をさらに遅らせることで、上乗せ額をさらに増やすことも可能です。
健康であればもう少し働いて、余裕を持った年金額にしたいものです。
まとめ
計算されてみていかがでしたか?
今は大丈夫でも、年金生活になると赤字になるケースが非常に多いことが分かりました。
備え始めるのが早いに越したことはありませんが、年金生活まで秒読みだったとしてもこの事実を知っているのといないのとでは違いが出ます。
年金受給に備え必要額を試算し、早いうちから資金計画を立てておきましょう。
そうすることで安心して老後を迎えることができるでしょう。
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